クレジットカードの審査が通り、無事に発行できて良かったと使っていたら、ものの3か月で利用停止に。「なんで急に利用できなくなったんですか?困るんですけど・・・」とコールセンターに問い合わせても、「当社の総合的な判断により今回はご希望にお答えできません」となしのつぶて。こんな体験をしたことがある方も少なくないと思います。これが「途上与信」という審査によるものなのです。
途上与信とは
途上与信とは
利用中(途上)に審査をして、クレジットカード会社の審査基準に合致しているかどうかを審査すること
です。
途上与信の結果、審査基準に達していなければ、利用停止
といういきなりクレジットカードが使えなくなるのです。
「そうはいっても、引き落としで登録しているサービスも多いし、困るよ」
と言っても
「全然、身に覚えがないんですが・・・なんでいきなり利用停止なんですか、理由を教えてよ。」
と言っても
絶対にコールセンターでは回答をしてくれません。
なぜ、急に利用停止にしたのに理由も教えてくれないのでしょうか?
答えは、「利用停止という結果は途上与信という審査」によるものだからです。
クレジットカードだけでなく、カードローンや住宅ローンなど審査が必要な金融系のサービスの場合、審査ロジックというのは完全な機密事項であり、お客様に伝えるということは絶対ないのです。
審査基準がばれてしまったら、それを悪用してクレジットカードをつくろうという悪いやつもでてきますし、その結果、貸倒が増えてしまえばクレジットカード会社の経営すら危うくなるからです。
そのため、審査結果というのは審査専門の部署の人以外には情報が漏れないようになっていて、同じクレジットカード会社の人間でも、営業や事務、コールセンターのオペレーターなどは知る由もないのです。
ということは、オペレーターにいくら質問してどんなに粘っても、そもそも言わないように社内マニュアルがあり、聞かれてもその理由をオペレーターが知らないので、「当社の総合的な判断により今回はご希望にお答えできません」という回答に終止してしまうのです。
途上与信ってどうして発生するのか?発行時の審査との違いは?
1.時間が経過すると審査条件が変わる
クレジットカードの発行時の審査でから時間が経つと
- 別のところで借入が増えている
- 別のところの返済が滞っている
というような利用者側の個人信用情報の変化が起きるケースがあります。
また、利用者側だけでなく
- クレジットカード会社の審査基準が変わった
というクレジットカード会社側での変化も起きるのです。
結果、定期的に審査をおこなわないと、クレジットカード会社は「その時の条件での審査基準をクリアしているのか?」がわからないのです。そのために途上与信を行うのです。
2.発行時の審査は簡易的なものになっているクレジットカード会社もある
クレジットカードの発行スピードというのは、他のクレジットカードと差をつけるのに大きなポイントになっています。
そのため、最短即日発行、最短3営業日発行、というように発行までのスピードを短縮したクレジットカードも少なくありません。
しかし、発行までのスピードを上げるためには、審査も「申込み内容の確認」「個人信用情報の確認」「社内ブラックの確認」ぐらいしかできず、在籍確認もないままクレジットカードを発行してしまうというケースもあるのです。
結果、「時間をかけて審査をしたら、自社のクレジットカード審査基準をクリアしていなかった」ということも起こるのです。
この場合、利用者にしてみれば「申込時と何も変えていないのに、なぜか利用停止になってしまった」といきどおりを感じてしまうような事態になるのです。
途上与信で利用停止になった場合の対処法はあるの?
ありません。
そのクレジットカードはあきらめるしかないのです。
当然、一旦利用停止になっても、その後クレジットヒストリー、返済実績を積み上げてもう一度申し込めば審査が通るケースもあります。
ただし、そのときにコールセンターに文句を言っても、駄々をこねても、何も解決しないのです。
さっさとあきらめて、別の審査基準が低いクレジットカードに切り替えるのが一番の得策と言えます。