クレジットカードを利用していて、何らかの理由でブラックリストに載ってしまったいう場合、そのブラックリストはいつきれいになるのでしょうか。一番気になる時効について解説します。
ブラックリストではなく、個人信用情報
まず、各クレジットカード会社同士で共有される情報は、「ブラックリスト」という形ではないことを知る必要があります。
- ブラックリスト:クレジットカードを発行してはいけない危険人物名がならんだリスト
のようなイメージがありますが、これをクレジットカード会社同士で共有しているわけではありません。クレジットカード独自で作成している可能性はあります。
クレジットカード会社同士で共有されているのは、「個人信用情報」です。
- 個人信用情報:すべてのクレジットカード、ローン利用者の情報が記載される。ほとんどのクレジットカード会社で情報は共有されている。
個人信用情報は、すべてのクレジットカードやローンを利用している人が記載される利用履歴の情報であり、ちゃんと返済しながら利用している優良な顧客も、返済遅延を繰り返す悪質な顧客も、記載されているのです。
個人信用情報に掲載される情報と保有期間
株式会社シー・アイ・シーの場合
申込みに関する情報 「保有期間:照会日より6か月」
- ご本人を識別するための情報 : 氏名、生年月日、郵便番号、電話番号等
- お申込み内容に関する情報 : 照会日、商品名、契約予定額、支払予定回数、照会会社名等
クレジットの利用に関する情報 「保有期間:取引終了後5年間」
- ご本人を識別するための情報 : 氏名、生年月日、性別、郵便番号、住所、電話番号、勤務先名、勤務先電話番号、公的資料番号等
- ご契約内容に関する情報 : 契約日、契約の種類、商品名、支払回数、契約額(極度額)、契約終了予定日、登録会社名等
- お支払状況に関する情報 : 報告日、残債額、請求額、入金額、入金履歴、異動(延滞・保証履行・破産)の有無、異動発生日、延滞解消日、終了状況等
- 割賦販売法対象商品のお支払状況に関する情報 : 割賦残債額、年間請求予定額、遅延有無等
- 貸金業法対象商品のお支払状況に関する情報 : 確定日、貸付日、出金額、残高、遅延の有無等
クレジットカード会社の照会記録に関する情報 「保有期間:利用日より6ヶ月間」
- ご本人を識別するための情報 : 氏名、生年月日、郵便番号、電話番号等
- 利用した事実に関する情報 : 利用日、利用目的、利用会社名等
つまり、クレジットカードやカードローンなどを利用した場合には、氏名などの連絡先や、申し込んだ事実情報、利用中の契約内容、借入残高、返済履歴、返済遅延の有無、債務整理や自己破産の事実、途上与信をされている履歴など、ほぼすべての情報がクレジットカード会社各社に共有されているのです。
そのため、A社のクレジットカードで返済遅延を繰り返してしまうと、B社のクレジットカードを作ろうとしても、審査の時に上記の情報を調べられて、審査が通らないという結果になるわけです。
クレジットカードの審査が通らなくなるケース
- 返済遅延があった場合
- 異動情報があった場合 : 3か月以上の返済遅延があった場合、債務整理、自己破産があると「異動」となる
- 申し込み件数が多い場合 : 3件以上申し込みがあると、申し込みが過剰と判断される
- ローンやキャッシング額が多い場合 : ローンの金額、借入件数などによって反出される
- 30代以上でまったく情報がない場合 : 過去の債務整理や自己破産を疑われる
クレジットカードは、いつから作れる?
「過去に返済遅延を繰り返してしまった、債務整理をしてしまったんだけど、いつからクレジットカードを申し込めるようになりますか?」
という質問の回答は
「契約完了から5年間経過後」
ということになります。
もっと具体的に言えば、個人信用情報というのはクレジットカード会社各社が共通のシステムを利用して、顧客の情報を日々入力しているのです。
「契約完了から5年間経過後って、いつから5年ですか?」
という質問の回答は
「債務整理であれば、債務整理の成立後、クレジットカード会社の担当者が個人信用情報のシステムに『債務整理によって契約が終了した。』と入力した日から数えて5年です。」
つまり、正確な日時はわからないことになります。
この場合の対策としては
- 自分で把握している5年から1か月ぐらいたってからクレジットカードを実際に申し込んでみるという方法
- シーアイシーに情報の開示請求をして確認する方法
の2つがあります。今では、個人信用情報の開示はケータイやパソコンでも、1,000円の手数料で簡単にできるようになっています。
CIC:自分の信用情報を確認
http://www.cic.co.jp/mydata/index.html
個人信用情報確認後のクレジットカード申し込みの注意点
たとえば、個人信用情報がきれいになっていても、クレジットカード会社独自のリストが作られている可能性があります。これはクレジットカード会社各社が共有するものではなく、その会社だけで利用するための情報です。
本来、クレジットカード会社にとってみれば、悪質な返済遅延をした人や債務整理をした人には、永久にクレジットカードを発行したくはないのです。
そのため、自社の利用者については独自のシステムでもブラックリストを作っている可能性があるのです。
つまり、個人信用情報がきれいになっていて、クレジットカードを新規で申し込む場合には
過去の債務整理時、返済遅延時に利用しているカード会社ではないクレジットカードを申し込む
必要があるのです。